修理に出していた母のお下がりの鞄がちょうど仕上がってて、それも100点の出来栄えで、あんまり期待せずに買ったファンデーションがすごく肌に合っていて、本当についてる。
さてさて、題名の通りそんな日に観てきました。
【ハイパープロジェクション演劇ハイキュー‼最高の場所 (チーム)】
略してハイステ。ご存知の通り私は原作のファンなので、今まではライビュ等でしか観たことはなかったのですが、前作に引き続き今作も劇場で観劇してきました。
キャストもスタッフもみんなが愛を持ってこの作品に携わってくださっているのが痛いほどよくわかる。
特にキャストはまだまだ若手の子が多いし、何ならハイステが初めての代表作のような初々しい子が沢山なので、なおさら特別な思いで演じてくれているのが伝わります。
そこは原作ファンとしても文句なしです。ただ!何故かいつも斜め上を行く脚本・演出を繰り広げ、毎公演賛否両論あるこの作品。
ここからはあくまでも舞台を頻繁に観に行く人間の感想ではなく、大好きな漫画が2.5次元舞台になったものを観てきた人間の感想として読んでください。
いつものようなあらすじは割愛しますね。
そしてどちらかとういとストーリーより演出に触れています。どちらにせよネタバレ注意です。
ハイパープロジェクション演劇ハイキュー‼最高の場所(チーム)
まず第一に全シリーズに通じることですが、オープニングでのキャラクター紹介として後ろのスクリーンに原作の絵とキャラクターの名前とシルエットが映し出されてそのキャラがセリフを言う演出は最高of最高。
本当に漫画の世界から出てきたみたいで、某人気俳優の言葉を借りるのであれば正に「2次元と3次元が0.5寄り添っている」瞬間で、毎度毎度わくわくします。
今回は原作でも人気のある春高予選準決勝のVS青城編と春高予選決勝のVS白鳥沢編がひとつの舞台という、やる方も観る方もかなりハードな内容。
対戦校キャストももちろん、主人公率いる烏野高校キャストは約3時間半出ずっぱりの動きっぱなしだから相当だったと思う。実際観ている方も肩とおしりが死にました。
だって漫画にしてこの量よ。WJ掲載期間もたった2試合だけれど1年近いはず。
だからやはりかなりカットされてました。試合の様子はもちろんだけど、キャラクターの回想とか。まあ正直そこは想定内です。
この2試合1つの舞台なんて詰め込みすぎだって思ってたけど、月島と山口のそれぞれの名シーンが今回はどちらも一気に観られるのもまた事実。この二人大好きなのでこればかりは純粋に楽しみでした。
実際そのシーンはよかったです。過去の映像が後ろのスクリーンで流れていて、その過去を乗り越えて今ここに立っているって感じで泣けました。観客もみんな泣いていました。こんなにすすり泣きが聞こえる舞台初めてってくらい。
ただ一つだけ物申したい。原作を大切にしてくれているのは本当に嬉しいけれど、月島の盾はともかく山口の槍で相手を刺しちゃう演出は無しでしょう。
この槍ね。
山口は1年生で唯一スタメンではないけれども、ピンチサーバーとして初めて公式戦でジャンプフローターサーブを決めるという大切なシーン。
そこでたった1本のサーブにプライドも、試合の流れも、すべてをのせて勝負するというニュアンスで登場するこの一本鎗。
でもあくまでもイメージでしょう?それで相手チームの選手を刺すのはなあ。こういう前衛的な演出を仕掛けてくるの、ハイステあるあるすぎる。しかもその後の主要なセリフの後ろで、他のキャストたちがアドリブでその槍で遊んじゃうからなあ。前の演出が良かったから尚の事ガッカリ。
ただ山口 忠役の三浦 海里君の槍捌きはお見事でした。
それに、コミックス限定の番外編もちゃんと入っていてとっても良かったです。TVアニメ化もされていなかった対戦校の敗戦後のエピソードだからね。特に青城編、岩ちゃんの及川へのセリフは大好きすぎて、自分の妄想なんじゃないかと思うくらい大好きなので、これは心からこの舞台を観に行って良かったという感想に直結しました。
あとはこれも全シリーズに総じて言えることだけど、いくらキャストを増やせないからと言って、無理やり他のキャラに全く別の人のセリフを言わせているのがとても気になりました。
まあこれはハイステだけではないよね。昔某自転車作品の2.5次元舞台観た時もそれがあまりにも不快だった記憶ある。
漫画は作者が書けば書くだけキャラクター増やせるけど、実際の人間を出すとなるとそういうわけにはいかないですからね。わかるんだけれども。
でもどうしても納得いかなかったのが、第二幕コンセプトの戦い(VS白鳥沢戦)で、
烏野三年生たちがまだ一年生だった時に強豪“だった”とされる烏野高校の悲惨な現状を見て「地に堕ちたな」と吐き捨てる高校バレーファンのおじさんが、この試合で「がんばれぇぇぇぇぇ!!」って叫んで応援するシーンがあるんだけど、このおじさんのセリフ(というかそのシーンに近づけた事)を舞台ではなぜか準決勝で負けたチームのエースが言うの。
いや意味わからなくない???
これは昔の状況を知っている人が改めて強くなった烏野を観て感極まって応援するシーンなのに、なんで昨日の試合で負けた選手にそんなこと言わせるの?
実際原作では見に来ていても姿を隠していて、試合をしている選手たちとは全く絡まずに帰っていくのに、舞台だとガンガン応援するし声もかける。
まあ人気のキャラクターだから後半の全く舞台に出てこないシーンでも他のキャストと絡ませて客の満足度を高める狙いもあるのかもしれないけど。
少なくとも私はこのシーンで完全に興ざめしました。
前半に書いた舞台ならではの見応えのある演出に対して、こういう舞台化したことによって原作ファンの反感を買うような演出が多すぎる。そのせいでいつも私の中でのハイステの位置づけが狂うんだよな...。正直このことに関連する不満は1つや2つではなかったです。
それから絶対賛否あるはずの海のシーン。
私は仙台市体育館に行ったからわかる。あの辺に海はないし、下手したら松島辺りまで足伸ばさなきゃいけないよ?!烏野も山あいの高校だし。なんで試合終わりにあの子らが「海いこうぜ!」ってなるの??
まあメディアミックスしたおかげで、原作では描かれなかった場面が観られるという点に関しては、ならではだったと思う。
アニメも青城編のラストに日向と影山が二人で帰るオリジナルシーンがある。あそこは原作では空白の時間だったわけだから、ファンとしては見られるのは嬉しかった。
それでいうと試合終わりのあの子達の姿が見られるのもこの舞台だけなわけで。
そういう意味では生きる彼らを見られたようでよかったです。
だとて!!!夜の海はいくらなんでも謎すぎた笑
影山が浜辺に落ちてるワカメを懸命に広い集めるところは一周回って面白かったけど。
ちなみに私はキャストでいうと月島 蛍役の小坂 涼太郎君が一番好きです。
今回の公演で烏野キャストは全員卒業が発表されているので小坂君の月島がもう見られないのが心底残念です。どのシーンを切り取ってもあなたがが一番そのキャラクターになりきれていたと思います。正直誰よりも他の人の月島 蛍を私は受け入れられる気がしません。
まあ、いよいよ舞台もアニメに追いついてしまったので、次回公演はまだ当分先だと思いますが…。それでも今後も”俳優 小坂 涼太郎”を応援したいと思うほどには彼は魅力的でした。月島 蛍に出会ってくれてありがとう。
今回の舞台は副題が”最強の場所(チーム)”ですが、この場所と書いてチームと読ませるのは個人的に気に入っています。ハイキュー‼キャラクターたちの最強のチームがそれぞれにあるように、キャスト一人ひとりにとってもこの劇団ハイキュー‼が最強のチームになれているように感じられました。(こんな感じのこと、誰かしら千秋楽のコメントとかで言いそう)
一原作ファンとしてはまだ語り足りないくらい、舞台化したことによって際立ったシーンや良かったセリフ、はたまたその逆で、納得のいかない演出なんかもあるけれど、総じて烏野キャストの集大成にふさわしい作品だったと思います。(正直こんなに泣くとは思ってなかった)
どうか千秋楽まで誰一人怪我無く駆け抜けてください。
趣味と生活のおぼえがき
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